研究業績– category –
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研究
豪雪地帯における伝統的民家と里山林の構成樹種にみられる対応関係|Aug.2010
長野県飯山市の豪雪地帯で、築115年以上の民家に使われた木材と周辺里山林の樹種構成を比較しました。スギの使用量が最も多く、1部材当たり体積はブナが最大でした。周辺林分はブナ・コナラ類・スギから成り、建材構成と類似していることがわかりました。大径ブナが優占する林分は水源林としてだけでなく建材供給地でもあった可能性が示され、豪雪地帯でブナが主要構造材に用いられたことは地域の風土に適した建築様式と考えらます。 -
論文
長野県北安曇郡小谷村の茅葺き屋根普請に関する復原的考察|Jul.2010
長野県北安曇郡小谷村には、継続的な利用がなされている牧の入茅場があります。この茅場を対象に、物的・人的資源の把握から小谷村における茅葺き屋根普請の復原を行いました。まず、茅葺き屋根の普請の工程と各作業を確認しました。つぎに、物的資源として、茅場における小茅の採取量と屋根の葺き替えにおける小茅の茅量を把握しました。さらに、人的資源として、各作業における職人および住民の労力量を明らかにしました。 -
論文
ナラ枯れは江戸時代にも発生していた|Jun.2010
長野県飯山市では、2004年に顕在化したナラ枯れと同様の被害が1750年にも記録されていました。古文書には、神社の社叢でナラの葉が夏に変色し秋に枯死し、幹には虫害があり駆除できなかったとあります。翌年には被害木が売却され社殿修復に充てられ、他の枯死木から大量の木炭が生産されました。これらの記述から、当時の被害はカシノナガキクイムシが病原菌を媒介するブナ科樹木萎凋病であり、江戸時代以前から発生を繰り返していた可能性が高いと考えられています。 -
論文
モニタリングサイト1000森林・草原調査コアサイト・準コアサイトの毎木調査データの概要|Mar.2010
モニタリングサイト1000は環境省生物多様性センターの事業です。そのうち森林・草原調査では、樹木、地表徘徊性甲虫、鳥類を指標生物群として定め、2004年よりモニタリング調査を行っています。本稿では、コアサイト・準コアサイトで取られた樹木に関するデータ(毎木調査データ)が研究・教育・保全政策などに広く活用されるよう、その概要を紹介し、データの活用方法について提案しています。 -
研究
国指定天然記念物「黒岩山」の植物相|Mar.2010
長野県飯山市の黒岩山は、ギフチョウとヒメギフチョウの混在地として1971年に国の天然記念物に指定されました。しかし薪炭林の利用放棄により樹木が繁茂し、光量低下で食草が減少、さらに乱獲も加わり個体数が急減しています。特にヒメギフチョウの減少が著しく、飯山市や住民が人工増殖や食草移植、伐採、パトロールなど保全活動を実施しています。2008年には再生事業調査会が発足し、環境整備・増殖・監視・植生調査が進められ、本稿はその植物相調査の報告となります。 -
論文
志賀高原高天ヶ原湿原のモニタリングの概要|Mar.2010
高天ヶ原湿原では、近年ヨシ類の繁茂により在来植物の生育地が縮小し、周辺から外来種の侵入も懸念されています。2006年から地元住民と信州大学が協力してヨシ類の刈り払い・除去などの保全活動を開始し、2009年よりその効果を把握するためモニタリングを実施しました。湿原内に5つの調査区を設け、処理方法の違いによる植生変化を記録し、湿原再生に向けた継続的な評価と情報発信を行っています。 -
研究
国指定天然記念物「湯の丸レンゲツツジ群落」のモニタリングの概要|Mar.2010
群馬県嬬恋村の国指定天然記念物「湯の丸レンゲツツジ群落」は、放牧牛の減少により高木の繁茂やササの拡大が進み、群落の衰退が問題となっています。これを受け、従来のレンゲツツジ単独の保全から生物多様性に配慮した保全へ転換するため、2009年に新たなモニタリング調査区を設置しました。除伐区・対照区・過去除伐区で植生や株の状態を継続調査し、維持管理の効果を可視化しつつ、地域団体と連携した持続的な保全体制構築を目指しています。 -
研究
豪雪地帯における民家の形態とその構成樹種-長野県飯山市柄山の農家の事例-|Feb.2010
長野県飯山市の豪雪地帯にある農家の構造を調査したところ、太い柱や梁を中心とした堅牢な構造が豪雪への適応を示していました。使用された302点の構造材の大半はブナ・ナラ・ケヤキ・スギの4種で、特に主要な柱や梁には周囲の森林で優占するブナが多く使われていました。ブナは大径材を供給でき、豪雪地の家屋建築に適した重要な資源であったと考えられています。 -
論文
伝統的カヤ場はなぜ重要か? ―採草地の景観生態学―|Mar.2008
カヤ場は、ススキやコガヤなど屋根材となる草を採取する半自然草地で、火入れや刈り取りなど人の管理によって維持されてきました。戦後の需要減少で多くが消失しましたが、草地は多様な植物・昆虫の生育地であり、集落と森林の緩衝帯としても重要です。小谷村・牧の入カヤ場では伝統的管理が続き、生物多様性やカヤ生産の仕組みを明らかにする研究が進んでいます。草地保全の意義を現代社会で再評価し、次世代へ伝えることが課題であると考えます。 -
古民家
里山と民家 |Mar.2008
柄山集落では、豪雪という厳しい自然環境のもと、人々が里山を計画的に更新・維持し、ブナやナラなど身近な森林資源を建材として活用してきました。ブナ材は本来建材に不向きとされていますが、水中乾燥などの工夫により数百年耐える民家を実現してきました。民家の形態や生活の知恵には、自然と共生し資源を持続的に利用してきた暮らしが色濃く反映されています。里山と民家の関係は、持続可能な生活の在り方を示す貴重な文化的遺産であると考えられます。