研究業績– category –
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草原
長野県小谷村に残る伝統的茅場の昆虫相|Mar.2021
長野県小谷村の屋根材用ススキ草地で昆虫相を調査した結果、195種の昆虫が確認されました。中には絶滅危惧種クロシジミ(Niphanda fusca)も含まれ、草地が長年にわたり良好な環境として維持されてきたことが示唆されます。伝統的な草地利用が多様な昆虫の生息地を支えており、生物多様性保全の観点からも重要な地域であると評価されています。 -
研究
日本全国19か所の自然林における広葉樹樹冠への昆虫食害の評価(英文)|Mar.2021
本研究は、日本全国19か所の自然林で収集されたデータに基づく、国内最大規模の昆虫食害データセットを紹介しています。調査は環境省の「モニタリングサイト1000」プロジェクトの一環で行われ、2014〜2015年に広葉樹(常緑・落葉)を対象に、落葉トラップを用いて葉の食害を評価しました。計11万7,918枚の葉を調査した結果、落葉広葉樹では緯度が高くなるほど食害が増加し、特にミズナラやブナで顕著でした。一方、常緑広葉樹では逆に緯度が上がると食害が減少する傾向が見られました。このデータは、森林タイプ間の比較研究やメタ解析に有用です。 -
論文
ギャップ・モザイク構造を持つ成熟したブナ林におけるチシマザサ(Sasa senanensis)の総一次生産量(英文)|Feb.2021
森林の林床は、一部の森林生態系における総一次生産(GPP)に重要な役割を果たします。しかし、林冠構造の違いによる林床GPPの差異はこれまで十分に考慮されておらず、過小または過大評価の可能性がありました。本研究では、ブナを主体とする落葉広葉樹林を「林冠部」と「ギャップ部」に分け、林床のチシマザサのGPPを測定しました。ギャップ部では光量とバイオマスが多く、GPPは林冠部の約3.6倍に達しました。林床GPPは森林全体のGPPの約16〜20%を占め、林冠構造の違いを考慮する重要性が示されました。 -
研究
シカの影響に関する植生モニタリング調査と地域の生物多様性保全研究 ―シカと植生のアンケート調査(2018~2019)報告― ―地域の植生と生物多様性保全研究グループ―|Sep.2020
2017〜2019年に実施された全国規模のシカと植生に関するアンケート調査では、962件の回答が得られ、日本各地の多様な植生タイプからデータが集まりました。 2008–2009年調査と比較して、シカによる植生への影響が進行していることが示唆され、「強」や「中」レベルの影響が増加傾向にあります。かつては太平洋側に集中していた影響も、内陸部や日本海側へと広がり、林床植生の多様性劣化が顕著になっています。本調査は、保全の指針となる重要な基盤資料です。 -
研究
冷温帯の老齢落葉広葉樹林における林冠と林床の葉面積指数(LAI)の空間的関係(英文)|Sep.2020
葉面積指数(LAI)の定量化は、森林の生産性や大気と植生の相互作用を理解するうえで不可欠ですが、空間的・時間的な変動が大きいため、正確な測定が難しいとされています。本研究では、冷温帯落葉広葉樹林において121地点でLAIを測定し、林床から林冠までの各層のLAI分布とその関係を明らかにしました。上層のLAIは空間的に不均一で、下層との間に有意な負の相関が見られました。これは、林床が林冠の隙間を補うように機能し、森林全体としては空間的に均質なLAIを保っていることを示しています。 -
研究
栄村野々海におけるヒメカイウ Calla palustris L. の生育状況:UAVによる開花株の観測|Jun.2020
ヒメカイウ(Calliopsis L.)の生態的特徴と分布に関する研究です。2019年7月10日にUAV(無人航空機)を用いて撮影された地上および空中画像をもとに、植物群落の分布を可視化しました。UAV技術の活用により、植物の空間的分布を高精度に把握する手法が示されています。 -
報告
教員養成系大学生に対する「春の七草」と「秋の七草」の認知度調査 : 信州大学教育学部生の事例|Mar.2020
信州大学教育学部では、教員養成課程の一環として、学生の自然認識を高める授業を実施しています。2017~2019年にかけて「春の七草」・「秋の七草」の認知度調査を行いました。春の七草は認知度が高く、家庭由来がほとんどでした。秋の七草は認知度が低く、学校由来が多いことが判明しました。自然体験や地域との関わりも分析され、教育における自然理解の重要性が示されました。 -
研究
日本各地における茶葉を用いた初期段階のリター分解に関する統一データ(英文)|Sep.2019
リターや土壌有機物の分解は、生態系における炭素・栄養循環の主要な駆動要因である一方、温室効果ガスの発生源にもなります。日本列島は多様な生態系を有し、これらの分解過程の理解は生態系サービスの維持に不可欠であります。本研究では、2012~2016年にかけて全国33地点で茶葉(緑茶・ルイボスティー)を用いた分解実験を行い、1904袋の残存率データと環境要因を収集しました。継続的な観測により、分解の時間的変動の理解が期待されます。 -
研究
千曲川における外来種スモールマウスバス(Micropterus dolomieu)の産卵期と産卵場所の生息環境(英文)|May.2019
長野県・千曲川において、外来種スモールマウスバスの産卵期と生息環境を2シーズンに及び調査しました。産卵は5月初旬に始まり、水温や水位の条件により継続、産卵場所は流れが緩く浅い礫底で、大型の雄ほど深く広い巣を作ります。卵の存在率は高いが、巣の保護率は低く、環境条件が繁殖と分布拡大を助けている可能性が示唆されました。 -
報告
ブナの実羊羹:中山間地域の里山資源の価値を伝達するパッケージデザイン|Mar.2017
本作品は、長野県飯山地方の里山資源「ブナの実」を使った羊羹のパッケージデザインです。ブナの実は地域の魅力的な食材ですが、安定供給が難しく特産品化が困難とされてきました。そこで、少量でも風味を楽しめるよう羊羹の形状を工夫し、商品価値を高めるパッケージを開発しました。開封時に上部がしおり、下部が容器として使える構造で、地元の小規模加工所でも製作可能な設計となっています。親しみやすさを出すため、クマのイラストも採用しました。