研究業績– category –
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研究
多雪地ブナ林における建築用資材を用いた林冠アプローチについて|Mar.2001
長野県木島平村カヤノ平ブナ原生林で、積雪3mを超える多雪環境下でも林冠部の調査を可能にするため、建築用資材を用いた高さ18mの樹冠観測用足場を設置しました。資材はリース方式で経費を抑え、雪解け期から落葉期まで毎年組立・解体を繰り返しました。安全確保のためハーネスや手すりを設置し、ブナのフェノロジーや昆虫・鳥類の行動など三次元的生態研究に活用されました。 -
論文
北アルプス乗鞍岳における車道際のハイマツ年枝の伸長生長 |Mar.2000
中部山岳乗鞍岳の車道付近でハイマツの年枝伸長を20年間調査しました。自然立地のハイマツでは前年夏の気温と伸長量に正の相関があり、立地間で同調した変動を示しました。一方、車道際の上側・下側では気温との対応がみられず、自然立地との同調性も弱いと考えられました。平均伸長量は車道上側で最小、下側で最大となり、車道がもたらす微細環境が生長に強く影響していると推察されます。 -
研究
壊滅的な台風による南西日本の原生ブナ林における倒木ギャップ攪乱(英文)|Feb.2000
1991年の台風9119により、南西日本・臥龍山の原生ブナ林で多数の倒木ギャップが形成されました。3.3ha区画では太い幹の損傷が多く、優占木が大きく失われました。生存木の空間分布はランダムでなく群生的で、林分構造は特異的でした。倒木の主因は根返りで、中径木は根返りしやすかったのです。折損や枝折れはランダムに起こり、小径木の損傷は大径木の倒木に伴う二次的被害と考えられます。 -
研究
「樹を見て森も観る」ことの重要性|Sep.1999
景観生態学は、生物多様性保全や持続的植生管理に重要です。同時に景観要素間の相互作用だけでなく、個体群レベルの事象の理解も必要とされています。毎木調査や年輪解析は森林動態や景観変遷の把握に有効で、個体ベイスモデルや大ギャップ形成の分析など、多様なスケールでの研究が景観評価に役立ちます。最適なスケールの選択と、研究成果を社会に広く示すことが、環境設計への研究者参画を促し、景観生態学の発展に重要であると考えます。 -
論文
ガールスカウト戸隠キャンプ場の森林の構造と保全|Mar.1999
ガールスカウト戸隠キャンプ場の森林構造を調査し、保全と教育利用の方針を検討しました。林冠はシラカンバとハルニレが中心だが、後継樹が少なく、更新が進みにくい状況にありました。これは下刈りよりも樹種特性の影響が大きいと考えられますが、下刈りが続く限り天然更新は困難と推論されました。森林維持には下刈り制限や植栽などの管理が必要であり、これらを子ども向け学習プログラムに組み込むことで教育的価値も高まると提案しました。 -
研究
自然の総合的な理解をめざした自然観察会のための学習プログラム|Mar.1999
自然を総合的に理解することを目的に、「ブナの森の豊かさ」と「冬の森の生き物たち」をテーマとした2種類の自然観察プログラムを試行しました。限られた時間内で複数の対象を観察し、簡単な生態学的調査を体験することで、参加者は自然を具体的に捉え、全体として見る重要性に気づく効果が得られました。また、ブナと動物の関係など対象間の相互作用を扱う活動を加えることで、より総合的な理解が促進される可能性が示されました。 -
研究
広島県芸北町臥竜山ブナ林の大ギャップにおける樹木の更新|Mar.1999
1991年の台風19号で臥竜山のブナ林に大規模ギャップが形成され、7年後の林分構造を調査しました。胸高直径2cm以上の新規加入木を記録した結果、アカシデとイタヤカエデが最も多く、両種は空間的に共存しにくい傾向があるとわかりました。他の高木種の加入は少なく、近い将来、この大ギャップではアカシデとイタヤカエデが林冠を形成すると考えられました。 -
研究
キャンプ場の植生管理と景観保全|Dec.1999
ガールスカウト戸隠キャンプ場では、下刈りによる影響で低木層が乏しく、森林更新が進みにくい現状があります。毎木調査に基づき林冠構造からゾーニングを行い、各ゾーンで天然更新の促進、草地維持、観察林の設定など管理方針を提案しました。小規模地域では個体群レベルの解析を取り入れた計画策定が有効であり、事例研究の提示も重要と考えられています。 -
研究
孤立したブナ―ササ林の持続性:個体ベースモデルによる森林動態の解析(英文)|Sep.1998
南西日本・十方山のブナ林は人為的影響で小規模に断片化し、林床を覆うササがブナの更新を強く阻害しています。ササは数十年ごとに大規模に一斉枯死する特性を持っています。本研究では、ササ動態を組み込んだ個体ベースモデルを構築し、孤立したブナ林の500年間の存続可能性を評価しました。シミュレーションの結果、(1) ササはブナ林の存続に大きな悪影響を与える、(2) ササの寿命と回復期間の効果は統計的に分離できる、(3) ブナ林の絶滅確率は成長率より死亡率パラメータに強く依存することが示されました。 -
論文
飯縄山におけるハンノキ林の森林構造|Mar.1998
飯縄山のハンノキ林を調べたところ、多くのハンノキが同じ時期に一斉に育ったと考えられる構造が見られました。一方で、ヤチダモやハルニレは小さな木が多く、将来はこれらが主役になる可能性があります。林の移り変わりには水分などの土壌条件が深く関わり、ギャップや地表の攪乱といった自然の動きが更新を支えていると考えられます。