研究業績– category –
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論文
北志賀高原三ヶ月池アワラ湿原の植生と植物相|Mar.2003
北志賀高原三ヶ月池アワラ湿原で植物相と植生を調査しました。植生は主にミズゴケやスゲ群落から成り、維管束植物242種とミズゴケ4種を確認しました。過去12年間でユリ科やラン科の一部種が減少しており、人為的影響に伴う乾燥が原因と考えられています。湿原へ水を供給する流域や沢を守るため、周辺環境(例えば二次ブナ林)の保全と歩道整備が必要であると考えます。 -
論文
雑魚川源流域におけるニジマスとイワナの生態的特徴|Mar.2003
ニジマスが導入された雑魚川源流域で、在来イワナとの関係を調査しました。4月中旬には全長22〜26cm・3歳以上の成熟個体が確認されました。主に水生無脊椎動物を食べていましたが、イワナの稚魚の捕食も見られました。これらの結果から、ニジマスは在来イワナに対し、餌を巡る競争者であると同時に捕食者として個体群を減少させる可能性が示唆されています。 -
研究
菅平高原大洞地区に残存するブナ孤立林の森林構造|May.2002
菅平高原大洞に残るブナ孤立林の構造を調査した研究です。0.25ha の調査区でブナが基幹種として圧倒的に優占し、中径木が多い一方、後継樹は極めて少ないことがわかりました。過去の炭焼きなど人為的影響により更新が阻害された可能性が示唆されています。今後は自己間引きにより密度が減少し、パッチ状のモザイク構造へ発達すると予測されますが、孤立個体群であるため種子生産と実生の生残が更新の鍵となるでしょう。 -
論文
新たな地域資源としての里山ブナ林の適切な保全および活用法の創出に向けた協働プロジェク卜|Mar.2002
里山ブナ林を新たな地域資源として保全・活用するため、研究者とNGOが協働し、学術的価値の明確化と地域への還元を目指すプロジェクトです。特にブナの結実豊凶(マスティング)の適応的意義を、里山の孤立林と極相林を比較しながら検証しています。種子生産量や捕食、受粉効率などを多面的に調査し、得られた知見を教育・地域活性化へ活かすことを目的としています。 -
研究
ブナ林の世代交代とそのメカニズム|Jul.2001
近年の研究から、ブナ林の更新にはギャップ形成、豊凶のある種子生産、ササの一斉枯死が重要とされてきました。しかしその詳細には不確かな点も多いことが示されました。ギャップ更新論に基づく研究は多いものの、更新過程の実際の仕組みは十分に解明されていません。今後は長期観測や大規模試験地の設置など代替的手法を組み合わせ、ブナ林の動態を総合的に理解することが求められています。 -
論文
亜高山帯・高山帯を通過する車道周辺の植物相および植物生態に関する研究|Mar.2001
乗鞍岳畳平付近の車道開設後、植生破壊や間接的影響による植物分布の変化が懸念されてきました。しかし長期的追跡は行われてきませんでした。本研究では車道沿いの低地性植物の侵入とハイマツの年枝成長を再調査したものです。その結果、低地性植物は種数・分布高度ともに拡大し、ハイマツの山側と谷側の成長差も開設当初から継続していることが確認されました。 -
研究
環境庁現存植生図の精度評価の検討 ―長野市北部の事例―|Mar.2001
長野市北部で既存植生図と独自作成の現存植生図を比較し、図化精度を検討しました。一致率は56%で、市街地のみ高く、市街地を除くと34.6%に低下しました。分布面積の大きい凡例ほど一致率が高い傾向があり、不一致部分には、作成年代の差によるタイムラグ、凡例区分基準の違い、誤判読の可能性が混在していました。これらを踏まえ、自然保護・環境分野での利用可能性を考察しました。 -
論文
ゴルフコース造成が森林植生に及ぼす影響 (環境影響に関する調査研究)|Mar.2001
ゴルフコース造成に伴う森林植生の初期変化を、造成地周辺のコナラ・ミズナラ林で調査しました。造成後、草本層ではササ類の被覆が減少し裸地が拡大、低木層では萌芽幹の枯死や先駆植物の出現がみられました。沢周辺では土砂堆積により湿性種の衰退が確認されました。樹木の成長率は場所により低下し、造成による撹乱の影響が明瞭であるのがわかりました。大規模造成ではバッファー設定と継続的モニタリングが重要と結論づけます。 -
論文
長野冬季五輪において試みられた緑化対策のモニタリング ―表土復元後の植生変化を中心として―|Mar.2001
長野冬季五輪会場周辺で行われた法面緑化の効果を検証するため、表土復元・幼苗植栽・巨石積の施工地で植生調査を4年間実施しました。表土復元では植被率と植物高が年々増加し、ススキやヤマハギなど多年生草本が早期に優占しました。幼苗植栽では郷土樹種が定着し、巨石積では多孔質環境に多年生草本や木本が生育しました。これらの結果から、表土中の根や根茎による速やかな植生回復が示唆されました。 -
研究
カヤノ平ブナ原生林の研究VI. 20年間(1980-2000)の動態|Mar.2001
1980年と2000年にカヤノ平ブナ原生林の毎木調査を行い、胸高直径10cm以上の樹木動態を比較しました。20年間で樹幹密度と胸高断面積はともに減少し、大径木の死亡が主因でした。一方、小・中径木の成長は順調で、更新は維持されていました。直径分布の形は大きく変化せず、バイオマスの減少は極相林にみられる長期的な更新過程の一部と考えられます。森林動態の理解には長期モニタリングの継続が不可欠であると考えます。