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論文
北八ヶ岳坪庭溶岩台地に成立するハイマツ群落の組成と構造|Dec. 2024
北八ヶ岳・坪庭の溶岩台地(2250 m)では、通常は森林限界より上に生育するハイマツが、より低い標高で群落を形成しています。溶岩台地の周縁部から中心部にかけて26区画で植生調査を行った結果、周縁ではコメツガが優勢ですが、中心ではハイマツが増加しており、ハイマツが主要な先駆樹種として定着したと考えられます。これはコケやガンコウランのマットがハイマツの実生定着を助け、現在の分布を形成したためと推察されます。 -
論文
志賀高原に生育するオオシラビソ個体群の年輪幅および種子生産量と気候要素の関係|Jun.2021
志賀高原のオオシラビソ個体群を対象に、年輪幅と種子生産量の時系列変動と気候要素との関係を解析しました。年輪幅は春や前年晩秋の気温と正の相関を示し、種子生産量とはトレードオフの関係が認められました。気温や降水量、日照時間が種子生産に与える影響も明らかとなり、気候変動が個体群の成長と繁殖に及ぼす影響が示唆されました。 -
研究
シカの影響に関する植生モニタリング調査と地域の生物多様性保全研究 ―シカと植生のアンケート調査(2018~2019)報告― ―地域の植生と生物多様性保全研究グループ―|Sep.2020
2017〜2019年に実施された全国規模のシカと植生に関するアンケート調査では、962件の回答が得られ、日本各地の多様な植生タイプからデータが集まりました。 2008–2009年調査と比較して、シカによる植生への影響が進行していることが示唆され、「強」や「中」レベルの影響が増加傾向にあります。かつては太平洋側に集中していた影響も、内陸部や日本海側へと広がり、林床植生の多様性劣化が顕著になっています。本調査は、保全の指針となる重要な基盤資料です。 -
論文
冷温帯の老齢落葉広葉樹林における林冠と林床の葉面積指数(LAI)の空間的関係(英文)|Sep.2020
葉面積指数(LAI)の定量化は、森林の生産性や大気と植生の相互作用を理解するうえで不可欠ですが、空間的・時間的な変動が大きいため、正確な測定が難しいとされています。本研究では、冷温帯落葉広葉樹林において121地点でLAIを測定し、林床から林冠までの各層のLAI分布とその関係を明らかにしました。上層のLAIは空間的に不均一で、下層との間に有意な負の相関が見られました。これは、林床が林冠の隙間を補うように機能し、森林全体としては空間的に均質なLAIを保っていることを示しています。 -
環境教育
長野県黒姫山麓の高原盆地に成立する平地林の植物相|Mar.2015
この研究は長野県信濃町の黒姫山麓に点在する平地林の植物相を明らかにするために行われました。2014年に実施された調査では、408種の維管束植物が確認され、絶滅危惧種や外来種も多数含まれていました。 これらの結果は、生物多様性保全や環境教育の基礎資料として重要であり、今後の適切な植生管理や保全活動に役立つとされています。 -
論文
豪雪地帯における伝統的民家の樹種選択と里山の利用|Jul.2014
長野県桑名川地区の伝統的民家(R.Y家・H.Y家)を対象に、建築部材の樹種と周辺里山の植生を調査しました。スギやブナ、ナラ類など多様な樹種が用途に応じて使い分けられ、建材は主に里山から調達されていました。建築年代や地形、森林管理の違いが樹種選択に影響し、地域内でも民家の構成樹種に差異が生じることが明らかとなりました。 -
論文
豪雪地帯における民家と自然環境の関係性 : 長野県北安曇郡小谷村伊折にたつ民家を対象として |May.2013
豪雪地帯・小谷村伊折の民家を対象に、植生と建築の関係を分析した研究です。地域の森林構成を踏まえ、民家部材の樹種判定を行い、スギ・クリ・ケヤキ・アカマツなど里山林に分布する樹種が柱・土台・梁などに適材適所で使い分けられていることを確認しました。また架構図からも部材ごとの明確な樹種選択が読み取れ、自然環境と民家構法が密接に結びつく実態が示されています。 -
論文
志賀高原高天ヶ原湿原のモニタリングの概要|Mar.2010
高天ヶ原湿原では、近年ヨシ類の繁茂により在来植物の生育地が縮小し、周辺から外来種の侵入も懸念されています。2006年から地元住民と信州大学が協力してヨシ類の刈り払い・除去などの保全活動を開始し、2009年よりその効果を把握するためモニタリングを実施しました。湿原内に5つの調査区を設け、処理方法の違いによる植生変化を記録し、湿原再生に向けた継続的な評価と情報発信を行っています。 -
論文
長野県小谷村に残る伝統的茅場の植物相|Mar.2008
長野県小谷村の伝統的な茅場で植物相を調査しました。植生は主にオオアシボソとススキから成り立っています。江戸時代から屋根材として利用されてきたオオアシボソは近年減少し、代わってススキが増加しています。2007年には外来種5種を含む70種の維管束植物を確認し、県の絶滅危惧種ナンバンギセルも見つかりました。生育環境を守るには、火入れや刈り取りなど伝統的管理の継続が重要であると考えます。 -
論文
北志賀高原三ヶ月池アワラ湿原の植生と植物相|Mar.2003
北志賀高原三ヶ月池アワラ湿原で植物相と植生を調査しました。植生は主にミズゴケやスゲ群落から成り、維管束植物242種とミズゴケ4種を確認しました。過去12年間でユリ科やラン科の一部種が減少しており、人為的影響に伴う乾燥が原因と考えられています。湿原へ水を供給する流域や沢を守るため、周辺環境(例えば二次ブナ林)の保全と歩道整備が必要であると考えます。
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