ブナ林の生態解明– category –
ブナ林が広がる雪国で、人々の暮らしと森の関わりに目を向け、持続可能な森林利用のすがたを模索する
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ブナ林
ブナ(Fagus crenata)の種子に対する散布前のげっ歯類による捕食(英文)|Jul.2004
1999・2000年にブナ林で樹上実験を行い、散布前のブナ実に対するげっ歯類の捕食を調べました。1999年は樹上での捕食が多く、2000年はその傾向は見られませんでした。歯痕などから主な捕食者はアカネズミと推定されています。アカネズミは豊作の年に樹上へ多く移動した可能性があることがわかっています。追加実験では、げっ歯類が健全な殻斗を選好し、実の質を識別していることが示唆されました。 -
ブナ林
菅平高原大洞地区に残存するブナ孤立林の森林構造|May.2002
菅平高原大洞に残るブナ孤立林の構造を調査した研究です。0.25ha の調査区でブナが基幹種として圧倒的に優占し、中径木が多い一方、後継樹は極めて少ないことがわかりました。過去の炭焼きなど人為的影響により更新が阻害された可能性が示唆されています。今後は自己間引きにより密度が減少し、パッチ状のモザイク構造へ発達すると予測されますが、孤立個体群であるため種子生産と実生の生残が更新の鍵となるでしょう。 -
ブナ林
新たな地域資源としての里山ブナ林の適切な保全および活用法の創出に向けた協働プロジェク卜|Mar.2002
里山ブナ林を新たな地域資源として保全・活用するため、研究者とNGOが協働し、学術的価値の明確化と地域への還元を目指すプロジェクトです。特にブナの結実豊凶(マスティング)の適応的意義を、里山の孤立林と極相林を比較しながら検証しています。種子生産量や捕食、受粉効率などを多面的に調査し、得られた知見を教育・地域活性化へ活かすことを目的としています。 -
ブナ林
ブナ林の世代交代とそのメカニズム|Jul.2001
近年の研究から、ブナ林の更新にはギャップ形成、豊凶のある種子生産、ササの一斉枯死が重要とされてきました。しかしその詳細には不確かな点も多いことが示されました。ギャップ更新論に基づく研究は多いものの、更新過程の実際の仕組みは十分に解明されていません。今後は長期観測や大規模試験地の設置など代替的手法を組み合わせ、ブナ林の動態を総合的に理解することが求められています。 -
ブナ林
カヤノ平ブナ原生林の研究VI. 20年間(1980-2000)の動態|Mar.2001
1980年と2000年にカヤノ平ブナ原生林の毎木調査を行い、胸高直径10cm以上の樹木動態を比較しました。20年間で樹幹密度と胸高断面積はともに減少し、大径木の死亡が主因でした。一方、小・中径木の成長は順調で、更新は維持されていました。直径分布の形は大きく変化せず、バイオマスの減少は極相林にみられる長期的な更新過程の一部と考えられます。森林動態の理解には長期モニタリングの継続が不可欠であると考えます。 -
ブナ林
多雪地ブナ林における建築用資材を用いた林冠アプローチについて|Mar.2001
長野県木島平村カヤノ平ブナ原生林で、積雪3mを超える多雪環境下でも林冠部の調査を可能にするため、建築用資材を用いた高さ18mの樹冠観測用足場を設置しました。資材はリース方式で経費を抑え、雪解け期から落葉期まで毎年組立・解体を繰り返しました。安全確保のためハーネスや手すりを設置し、ブナのフェノロジーや昆虫・鳥類の行動など三次元的生態研究に活用されました。 -
ブナ林
壊滅的な台風による南西日本の原生ブナ林における倒木ギャップ攪乱(英文)|Feb.2000
1991年の台風9119により、南西日本・臥龍山の原生ブナ林で多数の倒木ギャップが形成されました。3.3ha区画では太い幹の損傷が多く、優占木が大きく失われました。生存木の空間分布はランダムでなく群生的で、林分構造は特異的でした。倒木の主因は根返りで、中径木は根返りしやすかったのです。折損や枝折れはランダムに起こり、小径木の損傷は大径木の倒木に伴う二次的被害と考えられます。 -
ブナ林
広島県芸北町臥竜山ブナ林の大ギャップにおける樹木の更新|Mar.1999
1991年の台風19号で臥竜山のブナ林に大規模ギャップが形成され、7年後の林分構造を調査しました。胸高直径2cm以上の新規加入木を記録した結果、アカシデとイタヤカエデが最も多く、両種は空間的に共存しにくい傾向があるとわかりました。他の高木種の加入は少なく、近い将来、この大ギャップではアカシデとイタヤカエデが林冠を形成すると考えられました。 -
ブナ林
孤立したブナ―ササ林の持続性:個体ベースモデルによる森林動態の解析(英文)|Sep.1998
南西日本・十方山のブナ林は人為的影響で小規模に断片化し、林床を覆うササがブナの更新を強く阻害しています。ササは数十年ごとに大規模に一斉枯死する特性を持っています。本研究では、ササ動態を組み込んだ個体ベースモデルを構築し、孤立したブナ林の500年間の存続可能性を評価しました。シミュレーションの結果、(1) ササはブナ林の存続に大きな悪影響を与える、(2) ササの寿命と回復期間の効果は統計的に分離できる、(3) ブナ林の絶滅確率は成長率より死亡率パラメータに強く依存することが示されました。 -
ブナ林
台風9119による南西日本・臥龍山のブナ林における大規模ギャップ形成(英文)|May.1997
台風9119により臥龍山の原生ブナ林で大規模ギャップが形成されました。4,100m²のギャップでは主にブナの大径木が強風で連続的に倒れ、その主要因は根返りでした。他の林分でも同様に林冠木の根返りが中心で、地形により風が強まり連鎖的倒木が起きた可能性があります。急斜面ではギャップ拡大の危険性が高く、この大規模撹乱は更新過程に影響を及ぼすと考えられています。