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研究
豪雪地帯におけるブナ林の森林構造 ―長野県飯山市鍋倉山の事例―|Mar.2007
長野県飯山市鍋倉山の豪雪地帯で、発達段階の異なる3つのブナ林を調査しました。最大積雪深は550cmを記録する厳しい環境下でも、成熟林ではブナが林冠を優占し、下層にも後継個体が確認されました。発達二次林では伐採後の萌芽更新が進み、リョウブが下層を優占し、若齢林は高密度の幼木が多く、更新初期段階にあります。これらの林分は将来的にブナ優占林へ発達すると考えられています。 -
研究
なぜ豪雪地ではブナが純林となるのか? ―葉群フェノロジーの観点からの一考察―|Dec.2005
豪雪地帯のブナ林で、17種の木々の葉の出る時期を1999年と2003年に観察しました。雪どけが早い年は、ブナは他の木より少し遅れて葉を開きましたが、いったん始まると素早く展葉を終え、十分に競争できました。並年ではほぼ同時に展葉し、ブナが最も早く葉を出しきりました。豪雪林でブナが優勢なのは、若いブナの展葉の速さと、他の木が雪に長く埋もれて展葉が遅れるためと考えられます。 -
論文
ブナ(Fagus crenata)の種子に対する散布前のげっ歯類による捕食(英文)|Jul.2004
1999・2000年にブナ林で樹上実験を行い、散布前のブナ実に対するげっ歯類の捕食を調べました。1999年は樹上での捕食が多く、2000年はその傾向は見られませんでした。歯痕などから主な捕食者はアカネズミと推定されています。アカネズミは豊作の年に樹上へ多く移動した可能性があることがわかっています。追加実験では、げっ歯類が健全な殻斗を選好し、実の質を識別していることが示唆されました。 -
研究
菅平高原大洞地区に残存するブナ孤立林の森林構造|May.2002
菅平高原大洞に残るブナ孤立林の構造を調査した研究です。0.25ha の調査区でブナが基幹種として圧倒的に優占し、中径木が多い一方、後継樹は極めて少ないことがわかりました。過去の炭焼きなど人為的影響により更新が阻害された可能性が示唆されています。今後は自己間引きにより密度が減少し、パッチ状のモザイク構造へ発達すると予測されますが、孤立個体群であるため種子生産と実生の生残が更新の鍵となるでしょう。 -
研究
新たな地域資源としての里山ブナ林の適切な保全および活用法の創出に向けた協働プロジェク卜|Mar.2002
里山ブナ林を新たな地域資源として保全・活用するため、研究者とNGOが協働し、学術的価値の明確化と地域への還元を目指すプロジェクトです。特にブナの結実豊凶(マスティング)の適応的意義を、里山の孤立林と極相林を比較しながら検証しています。種子生産量や捕食、受粉効率などを多面的に調査し、得られた知見を教育・地域活性化へ活かすことを目的としています。 -
研究
ブナ林の世代交代とそのメカニズム|Jul.2001
近年の研究から、ブナ林の更新にはギャップ形成、豊凶のある種子生産、ササの一斉枯死が重要とされてきました。しかしその詳細には不確かな点も多いことが示されました。ギャップ更新論に基づく研究は多いものの、更新過程の実際の仕組みは十分に解明されていません。今後は長期観測や大規模試験地の設置など代替的手法を組み合わせ、ブナ林の動態を総合的に理解することが求められています。 -
研究
カヤノ平ブナ原生林の研究VI. 20年間(1980-2000)の動態|Mar.2001
1980年と2000年にカヤノ平ブナ原生林の毎木調査を行い、胸高直径10cm以上の樹木動態を比較しました。20年間で樹幹密度と胸高断面積はともに減少し、大径木の死亡が主因でした。一方、小・中径木の成長は順調で、更新は維持されていました。直径分布の形は大きく変化せず、バイオマスの減少は極相林にみられる長期的な更新過程の一部と考えられます。森林動態の理解には長期モニタリングの継続が不可欠であると考えます。 -
研究
多雪地ブナ林における建築用資材を用いた林冠アプローチについて|Mar.2001
長野県木島平村カヤノ平ブナ原生林で、積雪3mを超える多雪環境下でも林冠部の調査を可能にするため、建築用資材を用いた高さ18mの樹冠観測用足場を設置しました。資材はリース方式で経費を抑え、雪解け期から落葉期まで毎年組立・解体を繰り返しました。安全確保のためハーネスや手すりを設置し、ブナのフェノロジーや昆虫・鳥類の行動など三次元的生態研究に活用されました。 -
研究
壊滅的な台風による南西日本の原生ブナ林における倒木ギャップ攪乱(英文)|Feb.2000
1991年の台風9119により、南西日本・臥龍山の原生ブナ林で多数の倒木ギャップが形成されました。3.3ha区画では太い幹の損傷が多く、優占木が大きく失われました。生存木の空間分布はランダムでなく群生的で、林分構造は特異的でした。倒木の主因は根返りで、中径木は根返りしやすかったのです。折損や枝折れはランダムに起こり、小径木の損傷は大径木の倒木に伴う二次的被害と考えられます。 -
研究
広島県芸北町臥竜山ブナ林の大ギャップにおける樹木の更新|Mar.1999
1991年の台風19号で臥竜山のブナ林に大規模ギャップが形成され、7年後の林分構造を調査しました。胸高直径2cm以上の新規加入木を記録した結果、アカシデとイタヤカエデが最も多く、両種は空間的に共存しにくい傾向があるとわかりました。他の高木種の加入は少なく、近い将来、この大ギャップではアカシデとイタヤカエデが林冠を形成すると考えられました。