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論文
日本全国34地点における森林の構造・種組成・動態(英文)|Aug.2011
本データ論文は、日本全国34森林サイトで収集された樹木センサスデータを報告するものです。そして日本で自由に利用できる最大規模の森林データセットです。環境省のモニタリングサイト1000の一環として、亜寒帯から亜熱帯までの主要4森林タイプにわたり42の恒久プロットで調査が行われました。2004〜2009年に胸高周囲15cm以上の木本植物を対象に調査し、334種・52,534個体の種数、個体数、生存、成長データが得られました。共通プロトコルにより森林間比較やメタ解析に有用で、生態学研究や環境省の生物多様性報告にも活用されています。 -
研究
豪雪地帯における伝統的民家と里山林の構成樹種にみられる対応関係|Aug.2010
長野県飯山市の豪雪地帯で、築115年以上の民家に使われた木材と周辺里山林の樹種構成を比較しました。スギの使用量が最も多く、1部材当たり体積はブナが最大でした。周辺林分はブナ・コナラ類・スギから成り、建材構成と類似していることがわかりました。大径ブナが優占する林分は水源林としてだけでなく建材供給地でもあった可能性が示され、豪雪地帯でブナが主要構造材に用いられたことは地域の風土に適した建築様式と考えらます。 -
論文
ナラ枯れは江戸時代にも発生していた|Jun.2010
長野県飯山市では、2004年に顕在化したナラ枯れと同様の被害が1750年にも記録されていました。古文書には、神社の社叢でナラの葉が夏に変色し秋に枯死し、幹には虫害があり駆除できなかったとあります。翌年には被害木が売却され社殿修復に充てられ、他の枯死木から大量の木炭が生産されました。これらの記述から、当時の被害はカシノナガキクイムシが病原菌を媒介するブナ科樹木萎凋病であり、江戸時代以前から発生を繰り返していた可能性が高いと考えられています。 -
論文
モニタリングサイト1000森林・草原調査コアサイト・準コアサイトの毎木調査データの概要|Mar.2010
モニタリングサイト1000は環境省生物多様性センターの事業です。そのうち森林・草原調査では、樹木、地表徘徊性甲虫、鳥類を指標生物群として定め、2004年よりモニタリング調査を行っています。本稿では、コアサイト・準コアサイトで取られた樹木に関するデータ(毎木調査データ)が研究・教育・保全政策などに広く活用されるよう、その概要を紹介し、データの活用方法について提案しています。 -
研究
豪雪地帯における民家の形態とその構成樹種-長野県飯山市柄山の農家の事例-|Feb.2010
長野県飯山市の豪雪地帯にある農家の構造を調査したところ、太い柱や梁を中心とした堅牢な構造が豪雪への適応を示していました。使用された302点の構造材の大半はブナ・ナラ・ケヤキ・スギの4種で、特に主要な柱や梁には周囲の森林で優占するブナが多く使われていました。ブナは大径材を供給でき、豪雪地の家屋建築に適した重要な資源であったと考えられています。 -
論文
教員養成系大学生の身近な自然観とそれに応じた自然教育|Dec.2006
信州大学教育学部の学生284名を対象に、幼少期の生活環境と伝統植物・樹木の認識を調査しました。農村部で育ち高齢者との接触が多い学生ほど自然遊びの経験が豊富でした。春の七草の正答率が高かった一方で、秋の七草やススキ利用の認識は低く、生活様式の変化による伝承の停滞が示唆されました。樹木の認識はサクラ以外、知識やイメージに依存していました。学生の実態に応じ、地域の風習や季節行事を取り入れた自然教育の必要性が指摘されています。 -
論文
広島県極楽寺山におけるアカマツ衰退度の異なる林分の土壌化学性|Sep.2006
広島県極楽寺山の都市側と山側のアカマツ林で土壌化学性を比較しました。都市側では酸性物質や窒素の負荷が多く、土壌pHは必ずしも低下せず、むしろ広葉樹侵入に伴うリター分解の促進がpH上昇に影響していると考えられます。また、交換性塩基の差は小さく、酸性沈着による溶脱の可能性が示唆されています。アカマツ衰退に伴う群落構造の変化が土壌化学性に影響していると結論づけられています。