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「モニタリングサイト1000」志賀高原おたの申す平コアサイトにおける亜高山帯針葉樹林の毎木調査データ(英文)|Mar.2015
こちらの論文は、志賀高原の大沼池平に設置された1haの常設調査区における亜高山針葉樹林の樹木センサスデータ(2014年)を報告しています。アオモリトドマツとコメツガが優占種で、ブナ科のダケカンバも確認されました。2005年から毎年調査が行われ、樹木の成長や更新動態、積雪深、落葉量、昆虫や鳥類のデータも収集されています。この調査は環境省の「モニタリングサイト1000」プロジェクトの一環です。 -
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豪雪地帯における伝統的民家の樹種選択と里山の利用|Jul.2014
長野県桑名川地区の伝統的民家(R.Y家・H.Y家)を対象に、建築部材の樹種と周辺里山の植生を調査しました。スギやブナ、ナラ類など多様な樹種が用途に応じて使い分けられ、建材は主に里山から調達されていました。建築年代や地形、森林管理の違いが樹種選択に影響し、地域内でも民家の構成樹種に差異が生じることが明らかとなりました。 -
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松本市牛伏寺に残る小面積ブナ林の林分構造|Mar.2014
長野県松本市牛伏寺の小面積ブナ林は、周囲にブナがほとんど存在しない孤立個体群であり、150年以上維持されてきた可能性があります。調査では106個体(87株)を確認し、複数回の更新が示唆されました。更新には豊作年が重要ですが、発芽率の低下や動物による食害が課題となります。遺伝的多様性の低下も懸念され、今後は親子関係の解析などによる動態把握が求められます。 -
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伝統的木造民家の構成樹種の同定方法|Mar.2014
伝統的木造民家の建材に使われた樹種を正確に同定するため、ミクロトームを用いた木材切片作製法を紹介します。従来の徒手切片法に比べ、安全かつ効率的に切片を得られます。スギやアカマツ、ブナ、キハダなどの木材組織の特徴を顕微鏡で観察し、樹種を判別します。地域材の利用や伝統的資源管理の理解に貢献する手法として意義があるとされています。 -
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長野県小谷村の伝統的カヤ場に自生するススキ属|Mar.2014
長野県小谷村の伝統的カヤ場「牧の入カヤ場」では、屋根材として利用されるススキ属3種(ススキ、オオヒゲナガカリヤスモドキ、カリヤス)が確認されました。特に「小ガヤ」と呼ばれるオオヒゲナガカリヤスモドキは良質な屋根材として重宝されてきましたが、近年は「大ガヤ」のススキが増加しています。種の特徴を明確にすることで、適切な管理と保全が可能になると示唆されました。 -
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ブナ(Fagus crenata Blume)の堅果の生存率に対する成熟前捕食排除の効果を評価する袋がけ実験(英文)|Dec.2013
本研究では、中央日本のブナ原生林において、2年間にわたり1本のブナに袋がけを行い、種子成熟前の捕食が堅果の生存率に与える影響を評価しました。袋がけにより、1年目は生存率が4.9%から41.3%に、2年目は2.4%から12.5%に上昇しました。これにより、成熟前の昆虫による捕食がブナの堅果の生存率を大きく左右する主要因であることが明らかとなっています。 -
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ブナ成熟林における成熟林エリアとギャップエリアの土壌有機炭素量および質の比較(英文)|Aug.2013
冷温帯ブナ成熟林において、林冠構造の違いが表層土壌有機炭素に与える影響を調査しました。成熟林エリアではリター生産量と土壌有機物量が高く、芳香族炭素の割合が高い一方、分解しやすい炭素も多く含まれています。これにより、成熟林では有機炭素が蓄積しやすいが、分解ポテンシャルも高いことが示唆されました。 -
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ブナ孤立林分における豊作年の発芽率|May.2013
長野県北部の連続的なブナ林分と、中部の1ha程度の孤立林分で2011年秋に採取したブナ種子の発芽率を比較したところ、両者に有意な差は認められませんでした。孤立林分では遺伝的多様性の低下や更新力の弱まりが懸念されます。しかし、豊作年には周囲にブナがほとんど存在しない環境でも十分な発芽が期待でき、後継樹の更新可能性が高いことが示唆されました。 -
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豪雪地帯における民家と自然環境の関係性 ―長野県北安曇郡小谷村伊折にたつ民家を対象として ―|May.2013
豪雪地帯・小谷村伊折の民家を対象に、植生と建築の関係を分析した研究です。地域の森林構成を踏まえ、民家部材の樹種判定を行い、スギ・クリ・ケヤキ・アカマツなど里山林に分布する樹種が柱・土台・梁などに適材適所で使い分けられていることを確認しました。また架構図からも部材ごとの明確な樹種選択が読み取れ、自然環境と民家構法が密接に結びつく実態が示されています。 -
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「モニタリングサイト1000」プロジェクトにおける日本全国21森林のリター(落葉・落枝)データ(英文)|Sep.2012
本データ論文は、日本全国21森林で収集されたリターフォール(落葉・落枝など)の大規模データを報告するものです。日本で自由に利用できる最大規模のリター資料です。調査は環境省の「モニタリングサイト1000」の一環として、亜寒帯から亜熱帯までの4つの主要森林タイプにわたる23の恒久プロットで実施されました。2004年から毎月リターを採取し、葉・枝・繁殖器官などに分類しました。これらのデータは季節変動、年変動、地理的パターンの解析に有用で、森林間の比較研究にも活用できます。